死海のほとり

死海のほとり (新潮文庫)死海のほとり (新潮文庫)
遠藤 周作

新潮社 1983-06
売り上げランキング : 100609

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

戦時下の弾圧の中で信仰につまずき、キリストを棄てようとした小説家の「私」。エルサレムを訪れた「私」は大学時代の友人戸田に会う。聖書学者の戸田は妻と別れ、イラスエルに渡り、いまは国連の仕事で食いつないでいる。戸田に案内された「私」は、真実のイエスを求め、死海のほとりにその足跡を追う。そこで「私」が見出し得たイエスの姿は?愛と信仰の原点を探る長編。

戦後20数年の「現在」と、イエスが生きていた2000年前の話を一章ごとに交互に書き、最後の章で融合させるという手法。遠藤周作は久しぶりに読んだが良かった。ここに出てくるイエス像を読んでいると白痴のムイシュキンを思い出す。