財務省と政治 - 「最強官庁」の虚像と実像

財務省と政治 - 「最強官庁」の虚像と実像 (中公新書 2338)財務省と政治 - 「最強官庁」の虚像と実像 (中公新書 2338)
清水 真人

中央公論新社 2015-09-24
売り上げランキング : 2234

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

国家の財政を担い、「官庁の中の官庁」「最強官庁」と称される財務省(旧大蔵省)。55年体制下では自民党と蜜月関係を築いた。だが90年代以降、政治改革などの統治構造改革が、首相の指導力強化と大蔵省「解体」を推進。2001年には財務省へ衣替えした。小泉政権民主党政権、第二次安倍政権と政治が変動するなか、経済停滞と少子高齢化により財政赤字の拡大は続く。20年以上の取材をもとに「最強官庁」の実態を追う。

日経新聞の大蔵省担当だった記者が書いたもの。宮沢内閣の頃から現在まで、20年以上の政治史を丁寧にたどっていて面白い。特に平成20年以降については、こんなこともあったなあと思いながら読んだ。ただ、結局記者が書くと「財務省から見た政治」にしかならず、その壁を越えられないようだ。取材をしているうちにどうしても対象者に心情が移ってしまうのだろう。