臨時軍事費特別会計帝国日本を破滅させた魔性の制度

統帥権、軍部大臣現役武官制だけが国家を滅ぼしたのではない!!カネと国民の支持がなければ戦争はできない。十五年にわたる戦費調達のからくりを明らかにし、軍部、産業界、議会とメディアの関係を抉り出す。

臨時軍事費特別会計にフォーカスを当てたのはすごいと思うが、看板に偽りありで、実際の内容はこの特会についての記述はあまりなく、開戦に至るまでの経緯などが主。３０年代、アメリカに依存しながら日本は国力を蓄えていったという指摘は卓見だと思う。

著者はなにかに怨みがあるようで、しきりに「絶対的平和主義者」を罵倒したりと、感情的な記述も目立つ。題材が良いだけに残念。