昭和史の天皇

昭和史の天皇 1 - 空襲と特攻隊 (中公文庫)昭和史の天皇 1 - 空襲と特攻隊 (中公文庫)
読売新聞社

中央公論新社 2011-10-22
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特攻隊の戦果に対し天皇は「そのようにまでせねばならなかったか」と呟いた……。延べ一万人・六千時間に及ぶ証言で構成する歴史ドキュメント。

昭和42年からの読売新聞の連載が元になっているとか。もともとは全30巻もあるものが終戦前後に絞ったオンデマンド版全8巻になり、さらに文庫化に際して4巻にまとめられている。

第2巻の松代大本営のくだりが興味深かった。東京帝大工学部の関野助教授が一兵卒として徴兵され、硫黄島に送られる寸前で陸軍省建築課の同級生の計らいで残ることになり、靖国神社の地下壕の建設などは一等兵ながら指揮したとか。その後、松代大本営の建設にも携わり、一等兵ながら「先生」と呼ばれ、指揮所で図面を広げて指導していたとか。こういう話は新聞記事ならではだと思う。