夜と霧の隅で

夜と霧の隅で (新潮文庫)夜と霧の隅で (新潮文庫)
北 杜夫

新潮社 1963-07
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ナチスの指令に抵抗して、患者を救うために苦悩する精神科医たちを描き、極限状況下の人間の不安を捉えた表題作など初期作品5編。

表題作と短編4つ。精神病患者の安楽死という指令に抵抗するため、通常では考えられない投薬や、ロボトミーにまで手を出す精神科医が逆に恐ろしく感じた。実験的な治療を受けて死に至ってしまうことと、SSに安楽死処分を受けることと、どちらが患者本人にとって幸せだったのだろうかと思ってしまう。

北杜夫が亡くなったので改めて読み返した。