アルバート街の子供たち

アルバート街の子供たち〈1〉アルバート街の子供たち〈1〉
アナトーリー・H. ルィバコフ 長島 七穂

みすず書房 1990-05
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舞台は1934年。農業集団化、工業化を強行しながら、スターリンは党内勢力の一掃に乗り出そうとしていた。主人公サーシャは、暗黒に向かいつつある時代のなかで、他の若者となんら変わらぬ23歳の青春をおくる学生だった。しかし、大粛清の波は、サーシャとともにモスクワのアパート街に生きる若者たちを次つぎに呑みこんでいく。無数の人びとの生死をその手に握る独裁者とその体制下の生が鮮かに描かれる。

大粛正時代直前のソ連が舞台。モスクワの一角に住んでいた若者たちを描く章と、スターリン個人を対象に描く章が交互に置かれている。