ロシアの論理―復活した大国は何を目指すか

ロシアの論理―復活した大国は何を目指すか (中公新書)ロシアの論理―復活した大国は何を目指すか (中公新書)
武田 善憲

中央公論新社 2010-08
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混乱を極めた一九九〇年代も今は昔。プーチンという強力なリーダーのもと、原油価格の高騰や国際情勢を追い風に、ロシアは復活した。国際社会と時に摩擦を起こすロシアは「脅威」なのか。その行方を分析するには、指導者たちの決断の背後にある、独特の「ゲームのルール」を見極めることが必要だ。若き現役外交官による冷静な観察は、偏見や怪しげな裏情報を排し、われわれの現代ロシア観を新たにする。

著者は平成12年に外務省入省。ロシアの行動原理が「ゲームのルール」として存在するとし、それを解き明かそうとしている。例えば、経済活動に従事するものは、正しく納税し、政治的野心を抱かないこと、など。ただ、例えばロシア国内のジャーナリストの受難などは、たとえそれが国内の「ルール」に即したものだったとしても是認できるものではないと思うが、そういう点についてはあまり触れていない。

ロシアの大統領府が圧倒的な力をもっているのは職員が昼夜をとわず働いているから、というところは、日本の役人っぽいなと思った。