ゴリオ爺さん

ゴリオ爺さんゴリオ爺さん
バルザック 高山 鉄男

岩波書店 1997-09-16
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夢をいだいて王政復古時代のパリに出てきたラスティニャックは,社交界に出入りし,立身出世をはかる.一方,2人の娘を上流階級に嫁がせたゴリオは,娘達に裏切られて貧窮のうちに死去し,ラスティニャック青年は,ゴリオの悲惨な死を通じてパリの残酷な現実を発見する.深い人間理解を示すバルザック(1799-1850)の代表作.

岩波文庫で上下巻。バルザックは初めて。

革命に乗じて成金となり、娘2人を上流階級に嫁がせたものの、その2人に有り金を搾り取られて最後には一銭もないまま病死する老人。溺愛のあまり娘たちの真意に気づかず、死ぬ間際になって錯乱しながらようやく悟る様子は読んでいて悲しい。

他の「人間喜劇」も読みたいが、あまり翻訳がないようだ。