横書き登場―日本語表記の近代

横書き登場―日本語表記の近代横書き登場―日本語表記の近代
屋名池 誠

岩波書店 2003-11
売り上げランキング : 38681
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

縦か横か? 右からか左からか? なにげなく見過ごしがちな日本語の「書字方向」に注目してみよう。横書きはいつどのように登場し、定着していったのだろうか。現在の左横書きが受け入れられたのはなぜか。浮世絵から教科書、電車の切符に至る数多くの実例を示しながら、書字方向の変遷を精密にたどる、異色の近代日本語史。

右横書き=戦前、左横書き=戦後と漠然としたイメージを持っていたが、そんな単純な話ではないようだ。

まず、横書き自体が幕末以降の登場であり、それまでは基本的に縦書きしかなかったとか。その後紆余曲折を経て、

  • 右横書き:日本固有、伝統的
  • 左横書き:欧米模倣、モダン

というイメージが出来上がっていったようだ。このどちらを重視するかが終戦でがらりと変わり、急激に左横書きが普及したとのこと。

新赤版(つや消しになる前)を久しぶりに読んだがかなり面白い一冊だった。