山県有朋―明治日本の象徴

山県有朋―明治日本の象徴山県有朋―明治日本の象徴
岡 義武

岩波書店 1958-05
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幕末の尊攘派志士、日本陸軍の建設者・大御所として、また総理大臣・元老として政界に君臨した山県の姿こそ、戦前における天皇制的な「政治的人間」の一典型である。「閥族・官僚・軍国主義の権化」として憎まれ、怖れられたこの軍人政治家の生涯の照し出す日本近代史の過程と構造は、現代政治の課題に今なお深くつながるものである。

明治以降を中心として簡潔にまとまっておりわかりやすい。山県死去の一ヶ月ほど前に大隈重信も亡くなっており、ともに国葬国民葬だったそうだが、大隈と比し民衆の参列は非常に少なかったとか。大衆とは一線を画し、元老として陰に陽に暗躍したことが伺える。

地方自治の制度や官吏のメリットシステムの確立など、今に影響を残している部分は少なくない。