マルクスだったらこう考える

マルクスだったらこう考えるマルクスだったらこう考える
的場 昭弘

光文社 2004-12-14
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"ネオ共産主義論"の著者が一年半ほど前に書いた本。こちらの本では、グローバリゼーションに対抗する手段としてのマルクス主義が書かれていて、一歩踏み込んだ内容となっている。労働組合が労働運動のみではなく、政治的活動も行って最終的には企業の自主管理をするべきだということも書かれていて面白い。また、就職のための実務教育を実施する大学が増えていることにたいして、

実務教育を学ぶことの最大の利点は、彼らが身につけるであろうこれらの知識ではありません。むしろ学ぶべきものを学ばなかったということにあります。すなわち、ちゃんとした経済学や哲学を学ばなかったことで、若者達は自分がフリーター予備軍として取り扱われていたのだということを自覚できないようになっているのです。これは、大学が社会に対する批判の目を養うための教育を放棄することで、体制に唯々諾々と従う労働者を作り出すシステムだといえます。

とあって、結果日本の労働者が国際競争力で優れている部分は、"無批判"なところだと結ばれる。これは言い得て妙だと感じた。まぁ大学生がそもそも飽和状態であるとも思うが。