アメリカ合州国 本多 勝一 朝日新聞社出版局 1981-10 売り上げランキング : 151,843 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
本多勝一の本は、遙か昔小学生の頃に、いわゆる人類学三部作、『カナダ=エスキモー』、『ニューギニア高地人』、『アラビア遊牧民』を読んだのが最初だったはず。上記の「アメリカ合州国」もその時に一度読んだのかもしれない。読み覚えがある文章がけっこうあったので。人類学三部作は普通にルポルタージュとして良い作品だと思います。
「週間金曜日」の編集委員という肩書きから、単なる朝日崩れの左翼かと思っていたが、今回「アメリカ合州国」を読み、そうでもないかもと思った。なんというか、単純に「社会の弱者」の目線になりたい人、そういう立場の人たちの声を伝えることに自分の意味を見いだしている人なんだろうなと。amazonだとアメリカ~は酷評されていますが、最初からそういう風に思って読めば内容的には良いのではないかと思います。アメリカ南部の、未だに(少なくとも出版当時は)ある差別的な風土を日本に紹介したという部分でも意味はあると思うし。
クメール・ルージュの虐殺をめぐる言動の変化や、いわゆる「中国の旅」など問題とされることも多々あるのだが、そのような負の部分だけでもないというのが自分の感想です。もはや古典ですが。