複眼で見よ

本田靖春の雑誌への寄稿などを集めたもの。山谷のルポはなかなか良かったが、そのほかは、その当時のマスコミに憤ったり若者に憤ったりしていて、文句が多いただの人という印象。私戦や誘拐のような良さを感じられなかった。

鉤十字の夜

第二次対戦前にイギリスの女性作家が書いたもの。ナチスドイツと日本が世界を分割している2600年代が舞台で、その設定にまず驚く。徹底した書物の排除で、歴史が書き換えられてしまった世界が描かれている。解説によれば今の日本を暗示しているのだとか。

日本の農村 農村社会学に見る東西南北

期待して読んだが、先行研究を紹介したり、自書の引用が続いたりして、結局結論がない。農村といっても東北、中国地方、九州、沖縄と、さまざまなパターンがあるということはよく分かる。

我らが少女A

我らが少女A

我らが少女A

  • 作者:髙村 薫
  • 発売日: 2019/07/20
  • メディア: 単行本
高村薫の長編小説で合田シリーズの最新刊。合田ももう57歳になっており、警察大学校の教授をしている。西武多摩川線沿いの郊外の雰囲気がよく出ていると思う。

「灰色のまち」から「音楽のまち」へ 川崎市政大改革

川崎市の前市長の著書。居住地についてよく知りたくて読んだが、自己顕示欲を強く感じ、あまり良い印象を持てなかった。

死に山 世界一不気味な遭難事故<ディアトロフ峠事件>の真相

旧ソ連で起きた遭難事故を、アメリカのジャーナリストが現地に行って調べる話。実際に現地まで行き、事件は地形が起こす風による低周波によるものと推察している。そういうもんなのかというのが第一印象。