秘録 退位改元 官邸VS.宮内庁の攻防1000日

天皇陛下(現上皇さま)が2010年に退位の意向を周囲に明かしてから9年。この間、退位を認めるかどうかをめぐり、宮内庁首相官邸の攻防があった。退位実現、新元号発表までに何があったのか。朝日新聞記者が内幕を明かす迫真のノンフィクション!

代替わりの時のルポは各新聞社が本を出している。これは朝日新聞社が書いたもので、天皇のおことば後、政府がどのように特例法までもっていったのか、その施行日はどう決めたのか、令和の立案者について細かく書いてある。特に、施行日については、2019年3月31日退位説を朝日がスクープした後に、1か月遅れの案が出てきたと書いていて、暗に自分たちのスクープを受けて政府がずらしたかのように書いている。
読売新聞の本と比べると、特に新元号を決めた当日の記述が浅い反面、学者への取材は深堀りされている。委嘱された石川氏、中西氏にもだいぶ前から朝日が食い込んでいた様子がよくわかる。中西進氏とも相当関係を築いて、一時は4月1日改元当日の座談会にも出席することになっていたんだとか。
そして表紙の写真のセレクトがなんとも朝日らしい。天皇両陛下に背を向けて立ち去る安倍総理天皇の意を踏まえていないとの印象を与えたいのかなと感じる。