昭和の東京郊外 住宅開発秘史

昭和30年(1955年)。もはや戦後ではなくなった日本で、住宅難にあえぐ人々は自らの土地を、住宅を求めた。開発バブルの中で怪しげな業者も跳梁跋扈。悲喜こもごもの人間ドラマが繰り広げられたが、それも70年近く経った今では忘れられかけている。「マンションポエム」を彷彿とさせる当時の不動産チラシ140枚をもとに首都圏各所の「夢の跡地」をたずね、新たな未来を想像する。ありそうでなかった郊外研究がここに。

高度経済成長期の不動産チラシが面白い。今住んでいるところの近くも出てきて、地主が直接土地を売っていたようで興味深い。また戦争直後の住宅営団も紹介されている。そのように題材は興味深いが、記述が表面的で残念。