最近のもの

最近仕事に時間がとられてあまり読めていなかったが備忘としてまとめておく。

「水死」は5年ほど前にも一度読んだが、文庫の古本を買ったので再読。5年前も思ったが、最後の終わり方が納得がいかない。途中でのアカリとの衝突や自身の発作など、小説として面白い要素もあるが。

「晩年様式集」は文庫化されたので手を出したが、いまいちピンと来なかった。水死とつながっているのでつなげて読むのが良い。

世論調査…」は、週刊こどもニュースを手がけていた著者が書いたもので、世論調査の歴史や、現在のやり方、回答率の低下という課題など簡単に分かりやすく書かれている。固定電話に限定されている現行の世論調査のやり方もそろそろ限界があるのでは。

「オーデュボンの祈り」は、伊坂作品の中でたぶん初めて読んだ。そういうグロテスクさが必要かなと思ってしまう描写もあったものの、小説として面白い。

「ザ・原発所長」は吉田所長をモデルにした作品で、実際の福島第一原発の対応もさることながら、幼少期の様子や職業人生の中での原発との関わりなど赤裸々に書かれている。裏金工作の様子や、立地地域対策の話など、どこまで本当か分からないがリアル。

「ロシア…」は、タタールのくびきの頃からの流れが短くまとめられている。タタールのくびきの影響をどう見るかというのは、ロシア史上大きな論点なんだろうと思うが、著者は割とネガティブにみる視点のようだ。