シベリア出兵 - 近代日本の忘れられた七年戦争

シベリア出兵 - 近代日本の忘れられた七年戦争 (中公新書)シベリア出兵 - 近代日本の忘れられた七年戦争 (中公新書)
麻田 雅文

中央公論新社 2016-09-16
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1917年11月に勃発したロシア革命共産主義勢力の拡大に対して翌年8月、反革命軍救出を名目に、日本は極東ロシアへ派兵、シベリア中部のバイカル湖畔まで占領する。だがロシア人の傀儡政権は機能せず、パルチザン赤軍に敗退を重ねる。日本人虐殺事件の代償を求め、北サハリンを占領するなど、単独で出兵を続行するが…。本書は、増派と撤兵に揺れる内政、酷寒の地での7年間にわたる戦争の全貌を描く。

著者が書いているように、シベリア出兵についての著書は少なく、ましてや新書で読めるものはない。それを分かりやすくまとめているのだからそれだけでも読むべき。

シベリア出兵そのものだけでなく、国内の政治状況や、ソ連との交渉なども触れられていてよい。これが撤兵に成功した最後の戦争だというのが悲しい。