2015-09-26 津軽 読書 津軽 (新潮文庫)太宰 治 新潮社 2004-06売り上げランキング : 20120Amazonで詳しく見る by G-Tools 太宰文学のうちには、旧家に生れた者の暗い宿命がある。古沼のような“家"からどうして脱出するか。さらに自分自身からいかにして逃亡するか。しかしこうした運命を凝視し懐かしく回想するような刹那が、一度彼に訪れた。それは昭和19年、津軽風土記の執筆を依頼され3週間にわたって津軽を旅行したときで、こうして生れた本書は、全作品のなかで特異な位置を占める佳品となった。 学生の頃に一度読んだが再読。読んでいてどことなく温かい気持ちになる名作だと思う。