日本の参謀本部

日本の参謀本部 (中公新書 (765))日本の参謀本部 (中公新書 (765))
大江 志乃夫

中央公論社 1985-05
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一人の軍事的天才の指揮能力を超える大組織になった近代の軍隊を運用するために作られたのが参謀本部である。そのスタッフである参謀は、政略と戦略、戦争目的と軍事力との関係について、明確な認識なしには十分な機能を発揮できない。しかし、戦争の政治的目的をふまえて戦略を策定する点で、日露戦争以後の日本の参謀本部は、理論・実践両面で有能とはいえなかった。その参謀本部の歴史と、今次大戦の敗因を探る。

もはや古典かもしれないが、その舌鋒は鋭い。ノモンハンの失敗、インパール作戦の失敗などの事例が描かれている。曰く、日露戦争までの時期は、戊辰以降の内乱を実地で体験した指揮官を、参謀としての教育を受けた参謀がスタッフ職として助けられたからうまくかみ合っていたとか。