晴子情歌

晴子情歌〈上〉 (新潮文庫)晴子情歌〈上〉 (新潮文庫)
高村 薫

新潮社 2013-04-27
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遠く離れた洋上にいる息子彰之へ届けられた母からの長大な手紙。そこには彼が見知らぬ、みずみずしい少女が息づいていた。本郷の下宿屋に生まれ、数奇な縁により青森で二百年続く政と商の家に嫁いだ晴子の人生は、近代日本の歩みそのものであり、彰之の祖父の文弱な純粋さと旧家の淫蕩な血を相克させながらの生もまた、余人にはない色彩を帯びている――。本邦に並ぶものなき、圧倒的な物語世界。

青森の旧家の様子が面白い。しかし、息子にこんなにマメに手紙を書くとか、ここまで非現実的なのも逆に小説として面白かった。旧かな旧漢字は慣れの問題だった。