桜田門外ノ変

桜田門外ノ変〈上〉 (新潮文庫)桜田門外ノ変〈上〉 (新潮文庫)
吉村 昭

新潮社 1995-03-29
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安政七年(1860)三月三日、雪にけむる江戸城桜田門外に轟いた一発の銃声と激しい斬りあいが、幕末の日本に大きな転機をもたらした。安政の大獄、無勅許の開国等で独断専行する井伊大老を暗殺したこの事件を機に、水戸藩におこって幕政改革をめざした尊王攘夷思想は、倒幕運動へと変わっていく。襲撃現場の指揮者・関鉄之介を主人公に、桜田事変の全貌を描ききった歴史小説の大作。

暗殺側の指揮者を主人公にしている。吉村昭の歴史物はどれも良いが、これも淡々とした書きぶりながらも逃亡者の悲哀が伝わってきて大変良かった。