アルジェリア戦争 ─ フランスの植民地支配と民族の解放

アルジェリア戦争 ─ フランスの植民地支配と民族の解放 (文庫クセジュ966)アルジェリア戦争 ─ フランスの植民地支配と民族の解放 (文庫クセジュ966)
ギー ペルヴィエ 渡邊 祥子

白水社 2012-02-16
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2012年はアルジェリア独立から50周年にあたる節目の年。本書では、植民地化の歴史に始まり、フランス国内の政治の動きと、これと連動したアルジェリア戦争の政治史が主題となっている。しかし同時に、アルジェリア側の動向を随所で参照し、偏らない視点で記述。さらにアルジェリアにおけるフランス人支援者たちの存在にも言及し、移民問題の始まりといった主題に触れるなど多彩な切り口となっている。

また戦争に関する描写の特徴は、独立をめぐるアルジェリアとフランスの戦争と、フランス人同士(独立容認派と「フランスのアルジェリア」支持派)の戦争を分けて記述したことにある。それにより、現在論争になっている戦争犯罪や国家的・社会的承認の問題などをよりよく把握することが容易となるであろう。