 | ルポ 貧困大国アメリカ II 堤 未果 岩波書店 2010-01-21 売り上げランキング : 1599 おすすめ平均  Amazonで詳しく見る by G-Tools |
経済危機後のアメリカでは、社会の底割れが加速している。職がないにもかかわらず、学資ローンに追い立てられる若者たち。老後の生活設計が崩れ、絶望の淵に立たされた高齢者たち。いまや中間層の没落が進んでいるのではないか。オバマ登場で状況は変わるのか。人びとの肉声を通して、アメリカの今をビビッドに切り出すルポの第二弾。
第二弾も相変わらず衝撃的。学資ローンの取り立ては一歩間違えば闇金のようだ。中でも、刑務所の労働力を使ったアウトソーシングには驚いた。コールセンター業務を刑務所に委託し、囚人を使っている企業もあるとか。
第二弾のテーマは、民意はオバマを選んだにもかかわらず、なぜ相変わらず生活が苦しいのかという問い。結局、リーダーが変わっただけでは不十分であり、個々の課題についても、白紙委任ではなくきちんと世論が形成されなければ何も変わらないということのようだ。
