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先週からはもっぱらこれを読んでいた。他のドストエフスキー長編は新潮文庫から出ているが、この『未成年』だけは現在絶版になっているので岩波文庫版しかない。思い切って新刊を買って読んだ。
貴族の私生児のアルカージイという人物、その父親のヴェルシーロフを中心とした話。人間関係がとにかく複雑で、さらにはロシア文学特有でよび名がころころと変わることもあり、なかなかどのような状況なのか掴みづらい。さらにはアルカージイの手記という形をとっていて、過去形で書かれているところもあるのでよりわかりにくい。ただ、丁寧に読み返しながら読んでいけば、かなり面白い話だと思う。
これで五大長編は一応制覇したが、一番安定感がある作品だと感じた。
