インディアスの破壊についての簡潔な報告

インディアスの破壊についての簡潔な報告インディアスの破壊についての簡潔な報告
ラス・カサス

岩波書店 1976-01
売り上げランキング : 10069
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

Amazonに"うんざりしながら読み通した"という書評があるとおり、基本的にスペイン人(一部ドイツ人)がひたすらインディオを騙し殺すという内容なので、感覚が麻痺してしまうかもしれない。数千、数万単位での記述がされているので、今現在まがりなりにも南米にインディオの末裔がいることが奇跡に思えてしまうくらいである。

この文庫を読むとスペイン人は人間じゃないように思えてしまうが、一方、この本は反スペインのプロパガンダ本であるという主張もあるらしい。「憎悪の樹」という反論本があるようなので機会があったら読んでみたいが、Amazonを見る限りただの反米本っぽいので微妙。

ただ、やはり入植者達がインディオの人たちを人間とみなしていなかったのは事実であるわけだし、虐殺もあっただろうし、奴隷化もあっただろうし、ヨーロッパから持ち込まれた病気が蔓延したこともあっただろうと考える。