裂けた明日(新潮文庫)

定年後独り暮らしの沖本信也のもとに、少女を連れた女性が現れた。逃避行をしている、という。内戦下の分断日本はテロと銃撃が頻発していた。信也は二人を安全圏まで送り届けることを決意。民兵の目をかいくぐり検問を抜け、福島から東京まで、あらゆる危機をすり抜けていく逃避行。なぜそこまで身を賭けるのか? 銃撃戦の中で絞り出された言葉とは。今の日本に重ねて描く慟哭の近未来小説!

近未来の内戦下の日本が舞台。コロナ後に南海大地震が起き、排外的な雰囲気が高まって日本が朝鮮半島の基地にミサイルを撃ち込んだ直後、在日米軍が日本を攻撃してきて降伏したという設定。設定は面白いが、旧軍と自衛隊の表記が混在していたりして雑な印象。盛岡政府統治下の福島から東京に逃げる老人と若い女性、さらにはその娘が主人公。若い女性の母と老人は昔大学を卒業するときに因縁があったことが示唆される。