仙台藩主・伊達綱宗は幕府から逼塞を命じられた。放蕩に身を持ち崩したからだという。明くる夜、藩士四名が「上意討」の名の下に次々と斬殺される。疑心暗鬼に陥り混乱を来す藩政に乗じて権勢を増す、仙台藩主一族・伊達兵部と幕府老中・酒井雅楽頭。その謀略を見抜いた宿老の原田甲斐はただひとり、藩を守る決意をする。
7年前に一度読んだが再読。行間を読ませる小説で、何度も前を振り返りながら読みたくなるので、こういう小説はKindleには不向き。最後に原田甲斐ほかが酒井邸で惨殺されるが、瀕死の原田が罪をすべて被ることになる。ただ、伊達家の一行を斬ることを命じた酒井雅楽頭は、原田が罪をかぶることまで読んで命じていたのか、それとも結果オーライだったのか。いずれにしても名作だと思う。
