「機あれど飛機なし」……知られざる特攻作戦の実情を照らす金字塔!
あの青年たちを見送ってから、二十年たって、この本ができた――
大戦末期に陸軍報道班員として知覧の出撃の現場を目撃した高木俊朗は、戦後、元隊員、親と子、同胞たちを取材し続けた。南洋に面したこの基地で、彼らは何を想い飛び立ったのか?俗説が氾濫する「特攻」の、知られざる証言を掬いあげる戦争ノンフィクションの白眉、当時の取材写真と新規解説を増補した決定版。
文庫版解説(本書に再録)・入江徳郎
新書版解説・大木 毅
読んでいて悲しくなる本。戦後十数年たって、遺族、生き残った隊員、知覧で見送った女学生など、関係者から話を聞いている。結婚した妻の入籍を家族に認められないまま、何度も戻ってきて罵倒され、最後は父母が耕す畑の近くで自爆した少尉、出発する息子を送りに来て同じ兵舎に泊まった父の話、ホタルになって戻ってきた宮川軍曹、いずれも何とも言えない気持ちになる。発行された当時は、中学生向けの文庫にも入っていたとか。ミッドウェー海戦の「滄海よ眠れ」と同じく、これも読む必要がある本だと感じる。
