滄海よ眠れ―ミッドウェー海戦の生と死

日本海軍が初めて大敗したミッドウェー海戦。死者たちは、それまでの生をどのように生き、どのように死んでいったか。歳月も消せなかったさまざまな愛の姿を描く

昨年、毎日新聞出版から文庫5冊で復刊された。読んだのは文春文庫版。ミッドウェー海戦戦没者の名前、生年月日を明らかにし、さらにその遺族へアンケートを取り、実際に訪ねて話を聞いている。1980年代で、まだ戦死者の父母が生きていた時代だったからこそ。わずか1か月しか結婚期間がなく夫が戦死した妻の話もあれば、15歳で戦死した少年兵の遺族の話もある。再婚した人もいれば未亡人のまま亡くなった人もいる。戦死者一人ひとりにそれぞれの生活があったということを、これでもかというほど感じさせられる。読み継がれるべき本だし、それを復刊した毎日新聞もすばらしい。当時の取材をサンデー毎日編集部で手伝っていたのが鳥越俊太郎だったようだ。