天使も踏むを畏れるところ 上下

空襲で焼け落ちた明治宮殿に代わる、戦後日本、象徴天皇にふさわしい新宮殿を――。
敗戦から15年、皇居「新宮殿」造営という大プロジェクトが始まった。世紀の難事業に挑む建築家・村井俊輔。彼を支える者、反目する者、立ちはだかる壁……。戦前から戦中、戦後、高度成長期の日本社会と皇室の変遷を辿り、理想の建築をめぐる息詰まる人間ドラマを描き尽くす、 かつてない密度とスケールの大長篇。『火山のふもとで』前日譚、ついに刊行!

昭和43年に竣工した新宮殿の建設をめぐる小説。主人公の村井氏だけでなく、建設省から宮内庁へ出向してとりまとめの事務を行う建設技官の杉浦、その上司で主人公と反目する役の牧野部長、入江侍従をモチーフにしたと思しき西尾侍従など、それぞれの視点から各章が書かれている。読みごたえがあって、昭和の宮中の様子も感じられて面白い。