相楽総三とその同志

歴史は多くの血と涙、怨みによって成り立っている。御一新と「年貢半減」の理想を信じて各地を転戦するも、薩長に「偽官軍」の汚名を着せられて下諏訪に散った相楽総三ひきいる赤報隊。彼ら憐れむべく悼むべき「草莽の志士」はいかなる者たちだったのか。一人ひとりの生死を丹念に追うことで、大衆文学の父は「筆の香華」を手向けた。

書名の通り、相楽総三よりも共に行動した薩邸浪士たちについて事細かに描かれている。読んでいて悲しい。当時の勤王浪士に意外に久保田藩の出身者が多いことに驚く。西南戦争薩軍側で戦死した秋田藩士についても紹介されている。