私の日本地図1 天竜川に沿って

原書は昭和42(1967)年刊。長野県の諏訪湖に水源を発し伊那谷を南下、多くの支流を合わせ静岡県浜松市の東で太平洋にそそぐ天竜川。昭和17年から39年のあいだにいく度かさまざまな機会に訪れた沿岸周辺の見聞を、遠州平野・二俣から秋葉道=信州街道を経て諏訪湖まで、川筋をさかのぼってあるく旅の目で記す。一本の川の下流中流・上流の景観、事物にきざまれたそれぞれの特色ある暮らしと文化形成の歴史をよみとる。写真264枚。宮本常一「旅に学ぶ」、田村善次郎「歩くニュース」掲載の付録「日本の旅1」を収める。

10年以上前から復刊されたシリーズで、2016年に最終巻が出ている。宮城県に住んでいた時に少しずつ買ったことを思い出した。天竜川は、途中で険しい山々が続き、長野に入るとまた開けてくるという。洋装の女性が背負子を背負っている写真が印象的。50年前の日本にはまだこういうところがあったのかと感じる。現在の現地はどうなっているのだろうか。